2009/02/03

関空路線のカボタージュ撤廃か

 以前「エアアジアに以遠権を与えたら」という記事を書いた。
かいつまんで要約すると、エアアジアの茨城空港誘致活動の一環として
エアアジアに茨城空港発着の国内線営業権を与えるというものだ。
機材はマレーシアベースなので、航空券料金も格安になるであろうし
エアアジアにとっても、国内航空会社にそっぽ向かれている茨城空港にとっても、
悪い話ではないという類いの話だ。


 しかし、これはどうやら無理なようである。
>国際民間航空条約の第7条の内容に、他国の航空会社が自国内で国内線運航すること(カボタージュ)を禁止する権利がある。(匿名さんから頂いたコメントを一部抜粋、修正)
 とのことで、一種の保護政策があるから、実現不可能だと言う話であった。

 そんな中、例外としてオープンスカイの進んでいるヨーロッパにおいては、他国の航空会社が他国の国内線を運行して事例がある。
 そして今回、こういうニュースが舞い込んできた。

関空、国内線を「開放」 減便対策 海外航空を運航容認


路線の廃止や減便が相次ぐ関西国際空港を支援するため、国土交通省が海外の航空会社に対し、関空発着便に限って国内線の運航を認める方向で検討していることが2日、明らかになった。すでに海外航空各社に打診を始めており、前向きな姿勢を示す会社もあるという。

 具体的には、関空を発着する海外航空会社に、同じ飛行機で国内の他の地方へ向かう路線を新設することを認め、国内部分だけを利用することを可能にする。現在、外国から来て国内の2空港に立ち寄る海外航空会社の路線は存在するが、国内部分だけを利用することはできない。

 一方、国交省は自国産業を保護する観点から、国内部分は、日本の航空会社との共同運航(コードシェア)とする考えだ。同じ飛行機に、2社の便名をつけて運航することになる。

 関空では、景気後退の深刻化によって旅客需要の低迷が進んでおり、国内航空会社による路線の廃止・減便が加速している。1月にも日本航空が、国際線の関 空−ロンドン、国内線の関空−女満別などを、全日本空輸も、国際線の関空−大連などを廃止することを発表している。21年度も不採算路線の大規模な整理が 進む見込みだ。

 このような状況に大阪府は1月30日、「関西3空港に関する提言」を発表。関空発着の国内路線を国内航空会社が維持できない場合、海外航空会社が国内各方面へ運航することを可能にするよう国交省へ要請する方針を明らかにしていた。(産經新聞)



 これはかなり画期的な出来事である。

 欧米路線の航空会社は、関空〜北日本便を開設を想定しているだろう。なぜなら通り道だからである。逆にアジアの航空会社などは、那覇をはじめ、九州沖縄を経由して関空まで飛ぶことを考えているだろう。なぜなら、通り道でもあるし、かつ小型機で多頻度運行が可能になるからだ。ひとまず那覇であれば、主要な東南アジアの都市からは、小型ジェットで運行可能である。

 このニュースを聞いて、茨城空港の関係者の一部は、「これなら関空〜茨城ができるかもしれない」と小躍りしたかもしれないが、たぶん、多くの航空会社は、茨城など首都圏のことなんて考えていない。欧米の航空会社(+冬期)は札幌線をはじめとする北日本線、アジア系の航空会社は九州・沖縄線である。

 もしも関空発着の便に対してのカボタージュ撤廃が実現した開始年度は、アジアのLCCが本格的に日本に進出してくる可能性がある。

 絵空事を描いているように思えるかもしれないが、
タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、これらのLCCが、
手持ちのB737かA320を使って、九州・沖縄経由で関空に発着する可能性がある。
問題は日本の航空会社とのコードシェアである。
アジアのLCCと共同運行したいと思っている航空会社があるのかということだ。
大手2社はまず無理だろう。
スカイマークには期待したいが、そういったビジョンを持っているのかが不透明である。

それにしても関空は本当にやばいんだなぁ。
減便が相次いでいるとはいえ、
国内第3位の規模を誇る関空でこのような事例が認められれば、
アチコチの地方空港で「私も」「ウチも」となりかねない。


 ま、徒然思うままに、今回は書いてみたよ。


 それからアシアナ航空の茨城空港就航表明、おめでとう。覆されないようにね。


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6 コメント:

タヌキ猫 さんのコメント...

 関空の以遠権の話、驚きましたね。どういう形で結果が出るか分かりませんが、すごい興味深い話です。

 茨城空港の初就航の話、とても、嬉しかったですね。ただ、GRICKO さんのサイトでの扱いが関空以下だったことが、気持ちの冷め度が分かるといったところでしょうか(笑)

 もっとも、一社で満足しているようでは話にならないのですがね・・・。

姐御 さんのコメント...

世界不況という時期がいささか悪いのが気になりますが,橋下知事は伊丹にそうとうご立腹のようですからねえ。

 ま,関空がいろいろ問題引きずってるのも不人気の1つなんでしょうが,霞ヶ関がすこしその気になったのがましってところですか。

 もうめんどうだから,アエロフロートとかフィンエアーとかライアンとかヴァージンとかカンタスのLCCとか,どこでもいいから来てよって開き直った方がよさそうだと諦めたんですかねえ(苦笑)>国交省

GRICKO さんのコメント...

>タヌキ猫さん

 コメントありがとうございます。

 関空のカボタージュ規制撤廃の記事を見たとき、目が眩みました。
 対してアシアナの就航表明は、事前に予想されていたものだったので、「あぁ、このタイミングね」位でした。釜山線はサプライズでしたけれどね。

 とにかく、このカボタージュ規制撤廃は、閉塞感漂う日本の航空業界を変える、とてつもない一撃になりうる議論です。
 ひとまず、この議論が急転下することないことを望み、私もこのブログ上でこの議題を引き続き取り上げて行きたいと思っています。

GRICKO さんのコメント...

>姐御さん

 コメントありがとうございます。

 関空は本当に深刻なようですね。というか、近畿地方の地盤自体がかなりやばいことになっているみたいですけれどね。

 橋元知事は、何でもかんでもやみくもにやるみたいな感はありますが(伊丹廃港発言しかり)、このカボタージュ規制撤廃に関しては、やり方次第で、かなり日本の航空業界を変革できるものになるかと思います。

 挙げられている欧米系の航空会社も前向きに検討するでしょうし、二本あるガラガラの滑走路の枠を埋める意味では、即効性もあるし特効薬になるのではないかなと思います。

 今後も注意深く、カボタージュ規制撤廃問題を取り上げていこうと思っています。
 ちと、茨城空港ネタがおなざりになりそうですが。。。

みどりとあお さんのコメント...

JALのパイロットの方とお話する機会がありましたが、関空はガラガラのようですね。関西全体の地盤沈下も相まって、危機的状況のようです・・・。大手2社と国交省の役人による既得権益に阻まれてローコストキャリアが進出しにくかったようですが、今後もどんどん就航して欲しいですね。

Gricko さんのコメント...

>みどりとあおさん

コメントありがとうございます。

パイロットが言うくらいですから、相当深刻なんでしょうね。
日系の欧米線もなくなってしまいましたし、関西事態の地盤沈下がそもそもの原因なんでしょうね。
橋元知事には頑張っていただきたいもんですが、やはり国を挙げて、地方にある程度分散させる方向でやっていかないといけないかなと思ったりもします。
ま、このカボタージュ規制撤廃が1つの契機となって、関空の浮揚とLCCの定着に結びつくことができればいいのですけれど。