2009/05/18

「ジャパン エアアジア」構想 ["JAPAN AIRASIA" STRATEGY]

前の記事:スターフライヤーVS茨城空港
の一応続編。

スターフライヤーやフジドリームエアラインズのように
地元の自治体と経済界が能動的に
何かのアクションを起こそうという気概が
微塵もないのが
茨城をはじめとした

冴えない地方空港諸君
である。

「自分からは何もしない、他頼みだけ」
という姿勢は一貫して共通する。

そんな他力本願オーラ満載の茨城県の諸君に
また同じような他の地方空港の自治体の諸君に
ピッタリの案がある。























ジャパン エアアジア設立
案だ(Japan AirAsia)。





■拠点空港は沖縄・那覇空港
着陸料が安く、
小型ジェット機で東南アジアからでも
接続可能。










←東南アジアと極東アジアの地図を南北逆にしてみた。
沖縄はこのエリアのほぼ真ん中に位置していると言っても良い。











■乗員はマレーシアベース
ベースが沖縄と言っても、客室乗務員やパイロットは
マレーシアベースの職員を採用する。
当然、客室乗務員は日本語堪能であることが条件。
東南アジアにはそういう人材はゴロゴロいるし
彼らは日本と関われる仕事を求めている。
こうすることで人件費は少しだけかもしれないが下げられる。




←世界における日本語の地位は決して高くはないが
日本語習得者はアジアでは相当数いる。







■機材は座席数50席程度
機材は座席数50席程度の
エンブラエル社、ボンバルディア社の機材、
もしくは国産の三菱リージョナルジェット(MRJ)
いずれか一機種に統一する。
本来ならばエアアジアのメイン機材であるA320の使用が望ましいが、
地方路線同士で150席を埋めるのはチケットセールスの面で大きなリスクを伴う。
汎用小型ジェット機よりも、50席程度の
一段と小さいジェット機であることが望ましいのではないかと思う。


←MRJは7〜80人乗り、航続距離は最大重量時で最大3330km
クアラルンプールから沖縄までは3864kmであるが、重量調整次第で運行は可能か?
座席数50席程度の航続可能距離は3000~3500キロ程度。
沖縄から3000〜3500キロというと
バンコク(3123キロ)、マニラ(1464キロ)、香港(1450キロ)、コタキナバル(2825キロ)、サイゴン(2843キロ)
などが上げられ、
これらの都市に拠点を持つLCCと共同で運営していくことが求められるか。


■持ち株比率を半々に
株主はエアアジアが半分、
残り半分は沖縄をはじめ、
運行本数を増やしたいと思っている各空港の自治体連合だ。
(具体的に名前を挙げていくと、佐賀、北九州、静岡、茨城、信州まつもと、関空など)
リスクを分散させることができ、
役割分担を細かく設定でき地域に見合った運営が可能。



■ポイント・トゥ・ポイント方式
運行は那覇を始点に
折り返しのハブアンドスポーク方式ではなく
ポイント・トゥ・ポイントで地方〜地方を結ぶ。
例えば、沖縄から佐賀、佐賀から茨城、茨城から関空、関空から花巻、花巻から沖縄といった感じで
大手と競合しない地方路線のみを対象とする。
別の機材でこれを逆回りにすれば、
当該地方空港間の往来が可能になる。
もちろん、沖縄から東南アジア各国への接続も可能。
具体的に名前を挙げてくと、バンコク、コタキナバル、マニラといった都市が上がる(香港、台湾は既に運行されているから敢えて入れない)。
それらの都市は、LCCのベースがあるため、違うLCCでも接続可能(預け入れ荷物の問題があるが、多くのLCCは経由便の設定はないから、同一LCCを用いても、荷物は1回ずつ受け取る必要がある)。









■整備はアジアか外注で
簡単な点検は沖縄でやるが、重整備等、
本格的な整備と点検はエアアジアの本拠地であるマレーシアまで行ってやる。
ただしエアアジアはエアバス社以外の機材を揃えていないため
別途整備環境維持費用を負担しなくてはならない。
同様に他の乗員訓練費用なども
導入機材用に用意する必要性がある。
これではエアアジアの分が悪いので、
各自治体が共同出資してマレーシアの整備拠点を運営する。
もしくは整備は外注でやるというのも1つの手である。
それで整備コストが抑えられるのであれば、という前提に立ってからの話であるが。
(写真は北京にあるルフトハンザ航空の整備工場)


■肝心の航空券価格は?
細かいことはよう分からんが、
設定すべき航空券価格は、
エアアジア本体と同程度にするべきだろう。

エアアジアグループの1キロ辺り、1座席あたりの平均航空運賃と
照らし合わせてみればいい。
試しに検索すると、
エアアジアはキロ辺りの1座席あたりの平均航空運賃は
2.1セントとなるらしい。(by CNN, FORTUNE誌)
2円とする。
花巻〜沖縄間は3878円(1939キロ)
茨城〜関空間は896円(448キロ)
(茨城は羽田として計算)

これじゃ、バス以下である。アホみたいな値段だ。
自分でもビビった。おしっこ、ちびりそうになったw
飛行機移動が、バスよりもメインになっちまう。

ただし、いくら乗員や整備を向こうで揃えると言っても
日本の空港を使用する訳だから
グランドスタッフは日本在住者で人件費がかかる。
でも実質何もしていない自治体の地方公務員諸君が、
素人でもある程度研修を積めばやれる業務を請け負えば、
会社の運営は少しだけ楽になる。
給料は自治体負担になるからだ。
それでも賄えないと思うのでやはり人件費はかかる。
そして、座席数も違う機材を使用するので
この価格がそのまんま適用されるわけない。

あくまで最安値、参考運賃として観てもらえれば良いが
ボッタクリ大手と現状の中途半端アホLCCには
実現できない価格になる
ことだけは
確かなことと言い切ってよい。

JALの座席あたりの平均キロ運賃は
バーゲンフェアをやっている時で26円、
普通料金だと82円、
その間の数字をとって54円(羽田〜福岡で適当に私が計算)。

(注:これは平均座席キロ運賃じゃなくて、
正しくはイールドという計算方式だった。
イールドとは「旅客1人を1キロ輸送して得られた旅客収入」)

JALの座席辺りの平均キロ運賃は
11セントくらい(ANA総合研究所「航空産業入門」より)。
よう分からん「その他費用」に4セントほど、コストを使いすぎている。
よう分からん。なんだ?そのコストって…
我々は1キロ辺り、4円、例えば300キロくらい移動すると、1200円もムダな運賃を払っているのか。

エアアジアの約5倍以上の価格だ。
エアアジアは航空券を2倍の値段にしても儲けれる。
それでも、既存航空会社の半額以下の運賃。
これじゃ逆立ちしても、
JALをはじめとする日本の航空会社諸君が
ジャパン エアアジアに叶うわけない。

ちなみに米サウスウェスト航空は5.6円(イールドは8.3円)、
欧州ライアンエアは4.8円(6.3円)、イージージェットは7.3円(9.3円)、
スカイマークは10.4円(15.1円)らしい。
(塩谷さやか著「新規航空会社 事業成立の研究」p188より)



■重要なのは両者の利害が一致すること
新規航空会社の設立は
たとえ合弁にしたって色々と難しい側面もあるだろう。
シミュレーションについては、
塩谷さやか氏執筆のコチラの書籍を参照
にしていただきたいが
そう簡単にいくもんではないということは
百も承知だ。















ただ苦境に喘ぐ地方空港と
アジア1の航空会社を目指すエアアジアとが
手を組むことによって
新しい未来を切り開けるのであれば
各自治体の担当者は 手を組んで
「ジャパン エアアジア設立」を
検討してもよいのでは
ないだろうか。

地方空港は路線数を増やしたい
エアアジアは日本でのシェアと知名度を広げることができる。
両者の利害は一致する。

そして航空券価格の破壊を起こし、
運行を安定させることができたら、
地方間を移動している人たちにベストサービスを提供できたら
これ以上の「日本のLCC」のあり方は、
ないのではなかろうか。


↓タイ・エアアジアはタイの企業とエアアジアの合弁会社。
エアアジアは他にインドネシアやベトナム、フィリピンでも
合弁会社を立ち上げる意向を示している。



















■この案をどう料理するかは関係者次第
あくまでフラッシュアイデア。
抜け目はたくさんある。
たとえば沖縄上空は民間航空機が使用できる空域が狭く
過密状態に拍車をかけるだとか
那覇空港自体官民供用で枠が十分にあるのかとか
問題点を挙げ始めたらキリがない。

別にエアアジアじゃなくて
タイガーエアウェイズでもジェットスターでもセブパシフィックでも
どこの会社と合弁するべきか
それは構わない。

どうだろうか。
他力本願オーラ満載の地方空港関係者諸君、
このブログは茨城空港を中心に取りあげていた前例があるので
その中でも、とりわけ茨城空港関係者諸君。

この案には諸君の自力に委ねる部分もあるが
スターフライヤーやフジドリームエアラインズのように
少数の団体がリスクを背負う必要はない。
協賛してくれる自治体なり地方空港が多ければ多いほど
リスクは分散される。

人もいねえし、予算もねえし、給料変わらないから仕事も増やしたくないし、
良い話があれば動きますよと受動的な諸君でも
十分にやれる内容じゃなかろうか。
ある程度の数が集まれば実現味は高まるのではないだろうか。


実現に向けて少しでも検討をしてくださる
空港関係者、自治体職員、日本を支える先生方がいればいいが…


もし、ジャパン エアアジア設立するなら
私を役員に迎えてくれ(笑)

と小言を言っておく。
いくらでも協力する。
航空機移動が当たり前になるのであれば。



関連記事「エアアジアに以遠権を与えたら」


なぜか書く書くモチベーションが上がって来ている。
このブログで書く頻度を早めるのは、そんなに長持ちしないと思うけれど、
ひとまず、ネタ的なもので、水曜と金曜にも予約投稿入れてますので。

10 件のコメント:

通りすがり さんのコメント...

関空-地方限定での外国企業参入の話の時も国内企業保護のためのコードシェアは必ず義務付けせれましたし、おかげでその後の話はありません。
とりあえず日本に国内企業保護の姿勢がある以上無理です。

匿名 さんのコメント...

いつも楽しく読ませていただいてます。

文中フジドリーム社の親会社は、以前よりスター社の主要株主でもあります。

茨城県が(或いは仲介者として)、他都道府県自治体、空港もしくは複数の県外企業との合資によって新規の航空会社を作る事は可能だと思います。
法律のことは良くわかりませんが、その上での提携であれば海外キャリヤーとでも十分可能だと思います。

しかし「地元民間の活力」といったものが茨城空港に関して殆ど感じられませんね。

開港まで一年を切った中、目新しい成果も出てきていませんが、茨城の置かれた立場を外部から公に指摘してもらえただけスター社の来県は意義があったと思います。

Gricko さんのコメント...

>通りすがりさん

コメントありがとうございます。

関空カボタージュの件、その後の話がないとのことですが、どのレベルでないということなんでしょうか。報道レベル?それとも事務方レベルで、もはやない、なくなってしまったということですか?

ジャパン エアアジアは日本国内企業ですよ。半分は外資が入っていますが。国内企業保護というよりは、既得権益を守りたいってことなんでしょうね。でも、ジャパン エアアジアは、未だに運行できていない地方路線同士を、重視して運行します(逆に既存航空会社さん人気の羽田伊丹は無視)。
地方在住者には喜ばれると思うんですが、プリオンなお役人と先生方には不利益を被るんでしょうね。この経済論理が通用してしまう日本では、ジャパン エアアジアのように、海外の普通のやり方ができないということですね。全く意味が分かりませんが、「無理」というのはこの辺りのことでしょうか。

Gricko さんのコメント...

>匿名さん

フジドリームの親会社、つまり鈴与はスターフライヤーの主要株主、そうなんですか。ちと、ネットでは確認できなかったんで、本屋行って確認してきます。

まぁ、茨城県に対して陣頭指揮を執らせると言う仲介者的な役割は、仰せの通り、活力もありませんし、厳しいでしょう。個人的には、関空と想定ベースの那覇が引っ張っていってほしいなぁと思います。茨城に全国の地方自治体を引っ張れるだけの力はないように、私は評価していますので、中心は関空と那覇かなと。

確かに外部から公に指摘してもらえただけスターフライヤーの来県の意義があったとは思います。
ただANA総合研究所招聘の時と同様に、こうした「外部の茨城空港評価」を知る際でも、すぐに県議たちは、「え?就航してくれるの?」という思考回路しか持ち合わせていない。せっかく専門家が来県しているのにも関わらず、より深く自分たちの空港の評価を知ろうとしない意識が垣間見えることには、残念であります。そして、こういう委員会ならば、開催するだけ、職員の負担が増えますし、その手間時間対効果を考えると、絶対に必要な委員会とは言えませんね。
もっと茨城県民はマジメに「使える」県議員を選んでほしいです。

匿名 さんのコメント...

フジドリーム親会社の件、スター社HPに載っていました。

HP一番下の左端に小さく「会社情報」
次に「会社概要」
その中の主要株主欄に記載。

Gricko さんのコメント...

>匿名さん
ありがとうございます。

情報確認できました。
確かに鈴与の文字がありました。
本屋まで行く手間隙が省けました。
感謝です。

samuraiblue さんのコメント...

国の需要予測や県の強弁を見聞きし

県の茨城空港のLCC対応への方針変更の中
国内大手キャリアへの就航要請には
以前より疑問を感じていました


10年前の需要予測は見直すべきでしょう。
つくばEXの開通や成田、羽田の拡張
高速道路の整備状況、経済環境、
周りの環境は大きく変わっています。

その中でのLCC化は面白いチャレンジだと思いました。
しかしLCC化に伴い県が求める空港の姿がハッキリし始めたのに
エアアジアXの話以外はその欠片さえも感じられないのは
私だけではないとも居ます。

なぜ空港の飲食店がすぎのやなんですか?
なぜ大手キャリアに就航要請をするんですか

本末転倒です

私も以前から
茨城空港に需要があるなら
自前でのエアライン設立もありかなと思っていました。

10年以上前エアドウは北海道のとある養鶏業者が熱意と行動力で設立したものです

そのエアドウも一時期の困難を乗り越えて
再建を果たしています。

金太郎飴的なエアラインでは淘汰されるでしょうが

大手がまねできないエアラインなら勝負できる可能性も高いと思います。

会社設立の構成(株主構成など)、運営方針、就航路線、機材、パイロットやCA,地上支援、整備など
大手ではまねできない改善方法は沢山あると思います。

蛇足ですが重整備に関して
スカイマークなどは台湾のエバーグリーンアビュエイション テクノロジーズ『EGAT』社に委託してますし
JALはアモイのTAECO 社など
ANAはタイ航空などにも委託しているようです。
EUの多くのエアラインは中国や東南アジアに委託しているようです。

Gricko さんのコメント...

>samuraiblueさん

お久しぶりです。
内容の充実した、コメントありがとうございます。

もはや10年前の需要予測は
何の意味も価値もありませんね。
仰せの通り、
環境は大きく変わっています。
役所と違って、世界は大きく変わりました。

LCC化、そしてビジネスジェットの受け入れ空港、
つまり二次空港としてのビジョンを
ほのめかしたにも関わらず、
すぎのやといい、大手といい、
やっていることは10年前から変わらずというのでは
開いた口が塞がりません。
私もやる気がなくなってしまう訳ですw

茨城県単体での自前エアライン設立は到底不可能だと私は断言します。

差別している訳ではありませんが、
そういった地域性、県民性がさほど見えないのです。
そして、単体でやるとすれば
経費もリスクも大き過ぎて
無理でしょうね。

それなら、飛ばない地方空港同士が
手を組んだらいいのではないかなと。
記事中にもありますが、
大手が飛ばない路線を
格安ではなく「元安」の値段で運行すればいいかなと。

課題は一杯あります。
ただ、その課題を1つ1つこなしていくことは、
手応えのない就航交渉をするよりも
はるかにやり甲斐を感じられると
信じます。

重整備など整備費用についてですが、
今ANA総合研究所の本を見ると、
全体のコストに占める整備費の割合は、
大手もLCCもそこまで大した割合にはなっていません。
数字がなく、グラフでパッと見なのですが、
エアアジアはASK(座席キロ辺りの費用)が2.1セントで、
整備費は0.3程度、
JALはASKが11セントで、
整備費は0.8~9セントという感じです。
重整備費用が同じでも
整備費用が大きいのは、
簡単な点検や整備を日本でやっているから、
というのが原因だと思います。

日本に沖縄ベースであれ、
航空会社が出来るとすれば
おそらく整備費はASKあたり0.8セント程度はかかるでしょう。
整備や安全に関すること以外のもので
コストパフォーマンスを上げることが
求められますね。

タヌキ猫 さんのコメント...

 おもしろい!実に面白い!!現実・実現うんぬんよりも、こういった発想をする脳みそを茨城空港に送りたいですね!

 ある意味での地域連合体。一つの枠で考えるのではなく、ある規模でのモノの考え方に大変、共感しますね!

 また、実に潰れそうな空港を回るプランに脱帽です(笑)

Gricko さんのコメント...

>タヌキ猫さん

コメントありがとうございます。

実現できるかどうかは分かりませんが
検討する価値はあるかと
自信はありますね。

作ることや飛ばすことが目的ではなく
乗せることを目的としているので
その辺りの考えも違うかなと。

ま、そもそもの考え方が違うかもなので
プリオンさんたちには理解不能かもしれませんが
理解してくれる優秀な地方公務員、政治家がいたらと願いますね。